M-1グランプリのクラッシャー「立川志らく」
漫才界の頂点を決めるM-1グランプリ。
7人の審査員によって出場者のネタを評価するシステムですが、ネット上ではある人物の審査基準が大きな波乱を呼びました。
その人物が、「立川志らく」。この記事では「立川志らく」という人物、そしてM-1グランプリ本番でどのような審査が議論を読んだのかを解説します。
立川志らくってどんな人?
2018年のM-1グランプリ審査員をつとめた「立川志らく」とはどんな人なのでしょうか。
立川志らくさんはワタナベエンターテインメント所属の落語家。この他にも、映画監督・映画評論家という側面も。
1985年に立川談志に入門し、現在では20人もの弟子を抱えているそうです。ご両親はクラシックのギタリスト・長唄の師匠という音楽家だそう。
ひるおび!のコメンテーターも務められているなど、大御所の落語家と言えますね。Twitterもやられており、M-1に関しても以下の記述がありました。
まあ今年は落語とテレビが大当たりした年だから競馬はこうなるのも仕方ないです。平成元年の深夜番組で一年間、毎週一本コントや漫才をやって最多の優勝を飾った男が平成の終わりにM1の審査員になるとは。
— 志らく (@shiraku666) 2018年12月2日
立川志らくはどんな審査をした?
さて、落語家の大御所である立川志らくさんはM-1でなぜ波乱を呼んだのでしょうか?
お笑いの素人である筆者からすると、プロの落語家であるため、筋の良い審査をされそうなのですが、ネットでは以下の評価に。
立川志らく不愉快。なんであいつが審査員なん。審査員の中で1人だけ合ってない。メンバー見て1人だけ確実におかしい。
— そこらへんの大学生 (@soko_dai_) 2018年12月2日
かまいたちの点数低すぎる…ジャルジャル面白いし大好きだけど、審査員立川志らく99点出した理由が「一回も笑わなかったけどプロをすごいと思わせた」で、かまいたちの時は「面白さよりうまいなと思わせる漫才だったから」で点数劇的に低かったのめちゃくちゃ納得いかない感じである#M1グランプリ2018
— わたげ (@cococacop) 2018年12月2日
立川志らくのM1の審査に疑問・・・ミキ89、トム・ブラウンが97、ジャルジャル99。幾らか貰ってんのかってぐらいあり得ない。
志らくは審査員として大衆からかけ離れてる気がする。
上沼恵美子が大衆の意見に近い!— まこと (@wXyVXraT5SxfpNc) 2018年12月2日
上記のツイートからも分かるように、普通の感性を持つ人にとっては理解できない独自の審査基準が議論を呼んだと言えます。
その中でも、特に視聴者にとって「?」となるような評価を下した場面を抜粋してご紹介しましょう。
(1)かまいたちに対する立川志らくの評価
万人受けする正統派漫才を繰り広げた(主観ですが)「かまいたち」。
立川志らくさんは彼らを「面白い」としながらも、「面白さよりうまいなと思わせる漫才だった」という評価を下し、審査員の中でも最低得点となる「88点」をつけました。
この理論が「面白い=高評価」という普通の感性を持つ方からは理解されなかったと言えるでしょう。
僕も普通の感性を持つので理解することが出来ませんでした。
(2)ジャルジャルに対する立川志らくの評価
独特のリズム観あるネタを披露した「ジャルジャル」。昨年度のM-1グランプリで披露したネタと同様、ジャルジャルの「型」と呼べるものでした。
そんな彼らのネタに対して、立川志らくさんの評価は99点。ものすごくウケたネタだったのかな、と思いますよね。
しかし、ほぼ満点というハイスコアの理由は、「一回も笑えなかったけどプロをすごいと思わせた」という理由でした。
一般的な感性だと「笑えない=低評価」が当然ですが、彼の感性では違ったよう。
以下のツイートからも分かるように、他の審査員の評価からも明らかにズレたスコアをしています。
ジャルジャル
志らくさんは 99点! pic.twitter.com/PDzpWvzFJu— meza mashi (@meza_mashi) 2018年12月2日
(3)トム・ブラウンに対する立川志らくの評価
独自の世界観かつ荒々しい漫才を披露したトム・ブラウン。
多くの審査員から高得点を獲得したものの、惜しくも予選敗退となってしまいました。立川志らくさんもそんな彼らの「新規性」を高評価をしたうちの一人。
しかし、その後にも93点という高評価をつけた和牛に対しては「品がある」という理由から高評価を付けていました。ここが波乱を呼んだポイント。
立川志らくが和牛のネタを「面白いし品がある」と高得点の93点付けてたけど、
お前が99点付けたジャルジャルと、落ちたけどお前が97点付けたトムブラウンはどんだけ面白くて品があったんですかねー?
— 明太子 (@mentaiko_5678) 2018年12月2日
この意見からも分かるよう、「品性」という軸が立川志らくさん自身にあったにも関わらず、品性がある漫才では無かった(主観)「トム・ブラウン」を高評価していたと。
このように、「結局何が立川志らくにとって重要なのかが見えてこない」という「審査基準の一貫性」を疑問視されていたようですね。
(4)ギャロップに対する立川志らくの評価
初出場にしてM-1ラストイヤーとなったギャロップ。彼らの漫才に対する立川志らくさんの評価も波乱を呼びました。
高校生のハゲ代表としましては、
立川志らくさんの「ハゲ方が面白くない」という発言は大変遺憾であります。
ギャロップの林さんも芸人とはいえ禿げたいと思って禿げた訳では無いと思います。それを、「ハゲ方が面白くない」と言うのはイジりや振りではなくただの侮辱だと思います。#M1グランプリ— みつき○💁♂️ (@o8dstk) December 2, 2018
上記のツイートのように、ギャロップに対する意見を求められた立川志らくさんが述べたコメントは「ハゲ方が面白くない」というもの。
おそらく立川志らくさん自身は色々と思うところがあった末の低評価だったと思うのですが、一言コメントを求められたときに言うべきではない不適切な意見だったと言えるでしょう。
低評価の理由を尋ねられたなら、ダイレクトな理由を言うべきなはずです。
上沼恵美子さんの炎上とは何が違う?
同じくM-1グランプリの審査員であり、ネットを騒がせる評価を下す上沼恵美子さん。
そんな彼女もしばしば独自の感性で視聴者から反感を買いがちですが、立川志らくさんとは一味違う炎上のように思えます。
というのも、上沼恵美子さんは「好き嫌いの激しさ」から、「なんでそんなに高評価/低評価なの?」という疑問をもたれがち。
「自虐ネタは嫌い」と言ったにも関わらず、その次に自虐ネタを披露した、お気に入りの「ミキ」に高得点をつけるという行動がその例ですね。
#上沼恵美子「#ミキ のフアンやねん」#M1グランプリ pic.twitter.com/ZoXfndsEur
— トビタヌキ (@tobitanuki) 2018年12月2日
自らの欲望に従いすぎたあまり、一貫した評価基準を保てていない「単純さ」が炎上の理由でした。
一方で、立川志らくさんは「自らの好き嫌い」に従わず、何かこう自分の感情に従わず、俯瞰した評価をしているという特殊性が炎上の理由であり、上沼さんとは違う理由だと言えるでしょう。
本当に立川志らくの評価はおかしかったのか?
「かまいたち」「ジャルジャル」「トム・ブラウン」「ギャロップ」への評価から話題を生んだ立川志らくさん。確かにこの4つの例を見ると、納得できない評価に見えますよね。
筆者はM-1グランプリを最初から最後まで観ていたのですが、当初は立川志らくさんのコメントに「?」を連発していました。
しかし、番組が進むに連れ、立川志らくさんのコメントは角が取れ、内容も納得できるものへと変化したように思えます。
何か番組途中に心境の変化があったのでしょうか。いずれにせよ、最終的には理解できるコメントになって筆者は安心していました。
また来年のM-1グランプリの審査員にも変わった方が表れるのでしょうか。
それでは。